個人的に読了まで早かった。
「クスノキの番人」著・東野圭吾
久しぶりに東野圭吾さんを手に取りました。
帯に惹かれました…「秘密」「時生」は未読ですが「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は読了してます。
あと今回は装丁も素敵!こういう装丁は手に取っちゃいます 笑
あらすじ
不当な理由で解雇され、腹いせに犯罪を犯してしまい逮捕された主人公。
そこに弁護士が現れて依頼人に従うなら釈放すると提案されます。
話に乗るわけですが、その依頼人が主人公・玲斗の伯母にあたる人でした。
その伯母から指示されたのはクスノキの番人をすること。
借りのある玲斗はクスノキの番人を始めるのですが、そのクスノキには不思議な言い伝えがありました…
という感じです。あらすじは裏にあるものを少し拝借してます。
謎の部分
一応ミステリーになると思うのですが、こちらいわゆる「ほっこりミステリー」になると思います。
誰も死にません 笑
なのでお子様でも安心して読めます(たぶん)
で、一番大きな謎として提示されているのは主人公が番人を務めることになるクスノキの秘密。
番人を命じられますが、クスノキの秘密を全く教えてもらえないままなんですよね。
そのクスノキは神社の近くにあり「願いが叶う」とされている神木なのですが、毎月の満月と新月の夜にクスノキにあるウロ(というべきかな?大穴が空いてる)へ祈祷をしに来る人が沢山います。
願いを叶えるために祈祷してるんだと思われますが、あまりにも予約者が多く、その歴史は150年ほど続いてるということから何かしら不思議なパワーが宿ってるんじゃないか?という疑問があります。
けど誰も教えてくれないんですよ 笑
よほどの親しい人、限られた人にしかなるべく教えちゃいけない。
祈祷中は本人以外はクスノキに近づいてもダメなんです。
主人公は自分で分かるまで誰も教えてくれない…伯母も教えてくれません。
気になる…クスノキの秘密って何だよ!?!?って読者もなります。
そこは完全にネタバレになるので触れませんが、その真相が分かった後から主人公の玲斗と伯母の関係も進んでいく展開になります。
伯母が抱えていた秘めたる家族への想いだったり、祈祷に来る人の想いだったり、人と人の想いが明確になってくるほっこり系です。
じんわりくるラスト
「ナミヤ雑貨店」は私は涙した作品なのですが、こちら「クスノキの番人」は泣く…というところまでは行かなかった 笑
ただ、とても心が温まった気がします。
自分というものをしっかり持った伯母の、家族への思いを知った時はじんわりと温度を感じるものがあったように思います。
経営者の経験があり、仕事で名を馳せ富を得た伯母の千舟さんですが、家族愛はあんまり手に入れられなかった。
クスノキの謎だったり、そこに通う祈祷者の謎だったりがメインではありますが、家族がテーマの本でもあります。
おそらく東野圭吾さんを手に取った方は数しれないほどおられる超有名作家で超人気作家だと思いますが、私も数ある読書の中で一番読んでいる作家さんです。
なので東野圭吾さんの文章運びだとか言葉選びはもう染み込んでいて、ものすっごい読みやすいんです 笑
あんまり本を読まない人でもとても読みやすいと思う。
読みやすいし、難しくないし、でもしっかり伏線はあちこちに散りばめられ、しっかり全て回収していく。着地点もしっかり収まっている…こういう本を書くのが超有名作家たる所以なのだろうなと思いました。
これほんとおすすめです。お子様にも本当におすすめ。入りやすい気がする。
怖くないし 笑
↑実は個人的にゆるキャラも大好きなので、出版社のキャラクターもこっそりチェックしてます 笑
しおり挟まってると最近はキャラクターが印刷されてるので全部保管してます。