一冊やっと読了しました(毎回言ってる気がする…)
今回は知り合い2人におすすめいただいた瀬尾まいこさんを一冊。
おすすめいただいたのは別作品なのですが、近くの書店で見つからず😩
ただ、本屋大賞受賞作品は間違い無いだろう!と言うことで、どうせ読むつもりだったのでこちらを選びました。
「あと少し、もう少し」著・瀬尾まいこ
あらすじ
陸上部部長の桝井は中学最後の駅伝大会に向けて練習を始めます。
が、今まで顧問をしてくれていた名物先生が練習前に異動となり、陸上の知識ゼロの美術教員が顧問になってしまいます。
陸上部の長距離メンバーでは駅伝に必要な数を満たせず、陸上部以外からメンバーを募りますが、個性もバラバラな6人。
襷を繋ぎながらそれぞれの内面も繋がっていき、それぞれの成長も垣間見える…といった完全超王道青春小説です😊
王道青春小説
「王道の青春小説」とは書きましたが、読んでいてこんな爽やかで清々しい読了感は青春小説でしか味わえないなと改めて思えた一冊だったので、あえてもちろんいい意味で王道と書かせていただきました。
まさに某炭酸ソーダのCMのような世界観なんですが、思春期真っ只中の中学生たちは心の中で葛藤だったり悩みだったりを抱えています。
全体を通して見た感じ、他人とどう付き合っていけばいいのか?自分はどうしたいのか?そういった部分が全員に共通して見えたかなと思います。
最初は桝井が主人公で進むのかなと思っていたんですが、1〜6区を走る6人の中学生たちが区ごとに章を区切られていて主人公として描かれています。
同時期のそれぞれの見え方や考えが同時進行で出てくるので、例えば1区を走った設楽がこの時こう思っていたけど、2区の大田はこの時こんな風に思っていたんだな…といった感じ。
全員に個性がもちろんあるんですが「あぁ〜中学の時こういう子いたなぁ」みたいな身近なキャラクターたちだけに親近感も湧きました。
6人いる中で「この子はまるで自分と同じだ」と重なる人もいるんじゃないかなと思います。
絶妙な心の動き
思春期ならではの心の動きが本当に読んでいて懐かしさを感じました 笑
すっかり忘れた気持ちだなと思って😂
駅伝という“何か”に打ち込めるものが、多感な時期にあるのは羨ましくもなりました。
それぞれに事情もあって、思いもあって、個性も違うけど同じ駅伝に真剣に打ち込めるって奇跡だなとも思ったり。
襷=繋がり
襷を受け渡す側、受け取る側で心の内面が少し交錯してお互いを少し理解する描写があります。
なので1区と2区を走る2人が内面で交錯する場面、2区と3区を走る2人が内面で交錯する場面…といった感じなので、例えば1区の子と3区の子は特に内面で理解しあってるわけではないので、そう言った部分で少しお互いの解釈へのズレがあったりもします。
だけど駅伝の襷を託す=信頼でもあるのだなと。
結局相手の本心を全て理解できてなくても、信頼があることで人同士は繋がれるのかもしれないなと思いました。
作者の瀬尾まいこさんが何を伝えたくてこの作品を書かれたのかまでは存じ上げてませんが、何かしら「人同士の付き合いや繋がりとは何か」を考えさせてもらえる作品だったと思います。
瀬尾まいこさんは「そしてバトンは渡された」がとても有名なので、こちらもいずれ読んでみたいと思います。