1冊読み終わりました。
今回はこちら↓
「体育館の殺人」著・青崎有吾
ミステリーが基本的に好きなんですが、今回は某動画サイトでミステリー好きがオススメする1冊として紹介されていたので読んでみました。
第22回鮎川哲也賞受賞作品だそうです。
あらすじ
とある高校の旧体育館で放送部の部長の刺殺体が見つかります。
外は激しい雨が降っていて現場は密室状態。
第一発見者を含め現場に居合わせた人達を容疑者として捜査と探偵役の推理が進んでいきます。
読者への挑戦型推理小説
もしかしたら元々は読者への挑戦型として書かれ始めたものではないのかもしれませんが、解答編の直前に作者ご本人からの挑戦状のようなページが挿入されています。
私個人的にも何作品か読者への挑戦的な推理小説は読んだことがあるんですが、一番近いところで読んだ挑戦型の作品が実は個人的にダメでね… 笑
基本的に物作りをされてる方へのリスペクトは揺るぎないのですが、どうしてもその作品はフェアさに欠けるヒントの出し方だったり真相だったんです。
そこからこういう挑戦型(って勝手に読んでますが)の推理小説は苦手になってました。
ただ、今回の体育館の殺人に関しては作者からの挑戦状にあった冒頭部分で好感しかなくて 笑
先を読み進めてみれば「確実にフェアであるために」ということで条件や既に出ているフラグやヒントに関しての補足説明もきっちり書かれています。
これを踏まえて読者なりに既に出ているヒントを見返し、犯人とアリバイや密室トリックについて考えても良いし、それが面倒臭かったりそもそも謎解きは苦手という読者は解答編に進んでももちろん良いし好きにお任せな感じになっています。
でも作者からの挑戦状を読んでみた感じ、そこまでの書き出しで謎解きが出来そうな仕上がりになったからやってみて〜という気軽さみたいなものを感じたので、それがなんだか好感持てました。
私は先を読み進める
まぁ謎解きに挑戦してみても良かったのですが 笑
今回の作品に至っては登場人物も多く、しかもそれぞれにしっかりとアリバイの時間など割と分刻みで設定されてるので頭の中だけで推理を構築するのは大変そうでした。
でもそこがフェアというかね…凄く細かくきちっと書かれてるなぁと思いました。
結果、解答編で個人的に「あれ?でもこれなら出来ない?」と引っかかった部分も数秒後には見事に論破されてるっていう 笑
もう、ぐうの音も出なかったわ… 笑
これがオススメに出たのも、賞を取られたのも凄く納得だ!という作品でした。
久しぶりにしっかりと読者に真正面から向き合ってフェアさを重要視されてる推理小説を読んだなぁと思いました。
こちら個人的にもとってもオススメです。
余談
探偵役の人物が変わった人という設定なのですが、めちゃくちゃアニメオタクです 笑
アニメに詳しい方はフフッとなるかも。
でも探偵モードになったらかっこいいんですよ。頭の良さが全面に出ているというか。
キャラクターが個性あるのも魅力のひとつだなと思いました。