毎度おなじみ(?)読むのが激烈に遅い私です。こんにちわ。
しかもここのところライブの感想も書けてませんが、本を読み終わらないとこちらにも顔を覗かせない毎日です。忙しいわけではないのだが…。
ということで今回読み終わりましたのはこちら↓
「むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。」著・青柳碧人
シリーズものであり、いわゆる特殊設定ミステリーです。
ちなみに作者のおとぎ話シリーズはこちらの「昔ばなしシリーズ」と赤ずきんが主人公の「赤ずきんシリーズ」があります。
調べたら「昔ばなしシリーズ」も「赤ずきんシリーズ」も未文庫化の新刊がそれぞれ1冊ずつ出ているようです。
大まかに区切れば文字通り「昔ばなしシリーズ」は日本の昔話が題材になっていて、「赤ずきんシリーズ」は主に海外文学…グリム童話などが題材になっています。
あとは私が読んだ巻数までで分かるのは「昔ばなしシリーズ」は主に短編が独立していて「赤ずきんシリーズ」はまず大きな事件が基盤にあり、主人公の赤ずきんちゃんが行く先々で出会う事件が短編として解決されていく感じです。なので最後の短編は最初から繋がってる大きな流れの解決編もになっている作風になっています。
「赤ずきんシリーズ」を読了した時点ではこちらのブログはまだ未開設だったので感想は気が向いたら…書きます…。
一編目は映画化してますよ(ネトフリにあります)
短編集
「かぐや姫」「おむすびころりん」「わらしべ長者」「猿蟹合戦」「ぶんぶく茶釜」「かちかち山」を舞台とした短編ミステリー5編収録です。
題材のおとぎ話は6つありますが、ひとつのお話に2つのおとぎ話が繋がってたりします。
感想
本当のところひとつずつ感想を書きたいところなのですが、如何せんミステリーなのでネタバレに触れてしまいそうなので全体を通しての感想に留めておきます。
特殊設定ミステリーと書きましたが、例えば「かぐや姫」を題材にした一編目のお話では非現実的である「竹から女の子が産まれ落ちる」だったり「月からの使者が現れる」だったり「現実にはない宝物(婿候補がかぐや姫から突きつけられた結婚の条件の宝物)」だったりが普通に出てきます。
そういった不思議設定が当然ある前提で殺人事件の犯人を追い詰めていく…というのが特殊設定です。
普段読んでいるミステリーだと「現実的である」というのが当然の設定なので、魔法が使えたらアリバイも何もへったくれもねえじゃねえか!ってなるわけですが、例えば使える魔法が限定的だったり…という設定が入ることでミステリーが実現している感じです。
個人的に今回の著作も面白かったです😊
特殊設定ミステリーは好き嫌い分かれると思うのですが、割と納得の設定だったりでちゃんと論理的に解決されていってる印象です。
昔ばなしは日本人なら誰もが知ってるお話だったりするわけで、慣れ親しんだお話に突如として血生臭い事件が起こる…大人が読んで面白い昔ばなしになっているんじゃないかなと思いました。
同様に「赤ずきんシリーズ」もオススメです。個人的にはこっちの方が好きかな?
「昔ばなしシリーズ」は前作もそうですが、途中でなんとなく犯人やトリックが分かりそうなお話も含まれていますが、フーダニット、ホワイダニット、ハウダニット全てが書かれてると思います。あと密室トリックだったり叙述トリックだったり、ミステリーにおける技法もふんだんに出てくる短編集じゃないかなぁと思うので、そういった意味でも楽しめる気がするかな?
ミステリーあまり読まない方とか、特殊設定ミステリーそのものがあんまり…な方にもオススメかなと思います。ぜひ〜。