久々ですが、こちら読み終わりました。
「館島」著・東川篤哉
東川篤哉さんの作品は何冊か読んでいたのですが、館島は未読でした。
とある動画でミステリー好きが薦める一冊というのを見まして、そこにあったので久々に東川ワールドに浸ってみるかと思って購入。
この方の書くミステリーはコメディ要素が強めなので好き嫌いが分かれそうだなと思ってますが個人的には好きな方です。
ちょっと笑いに走って脱力するところが根を詰めすぎてない感じで好きです。
あらすじ
時代背景は80年代後半?だったかな(忘れかけてる)
瀬戸大橋の脚になる部分がかかる小さな島で起こる密室ミステリーです。
この島にある有名な建築家の屋敷で当主であり建築家本人でもあった人物の転落死から始まるのですが、普通の転落死ではなかったんですね。
細かく説明しちゃうとネタバレに触れるので控えますが、のっけから割と「どうして?」の問題提起がどどーんと提示されます。
全体的に見て
読んだ感じ、いわば王道ミステリーなのかなと思いました。
刑事の主人公と、途中で知り合う女性探偵が事件を解いていきますが、小出しに明らかに(と言ったら失礼かもしれませんがw)はっきりとフラグも出てきます。
ちゃんとフラグに気づき、段々と結末につれ真相がしっかり読者側でも推理ができるようになってるなと思いました。あくまでも個人的な感想ですが。
完全にハウダニットのミステリーです。
なんだけど、密室なのかというとそうであるようなないような…?ちょっと変わってるのでミステリー好きへのレコメンドとして紹介されるのは理にかなってるかもと思いました。
真相について
ネタバレは回避しつつ感想を述べると…「よくこれ考えたな!?」とは思いましたw
恐らくこれを実現しろと言われても無理な気はする。
気はするけど、なるほどなぁ〜って感じでしょうか…。
主人公たちが俯瞰で視点を捉えた辺りでなんとなく「まさか?」と思ったんですが、ほんと「いやまさかそんなこと出来る?」って思ったのでw
でも理屈としては不可能ではないんだろうな…?多分。
真相に行き着いてやっと「なるほど、やっぱりこれはミステリー好きにオススメなのが分かる」ってなりましたよ。
不可能か可能か考えたときに不可能だろうなとは思うんですが、理屈でちゃんとフラグを立てられてるので可能かもしれん…ってなる辺りが凄いのかも。
個人的にはオススメです。
こういったハウダニット系は初めて読んだので目から鱗でもありました。
まとめ
あの東川篤哉さんの作品なのでコメディとしての掛け合いやボケもありつつ、でも作品としてはとても土台がしっかりしているというか安心して読めたというか。
あの独特の小ボケテイストが苦手でなければぜひ!という感じです。
表紙のイメージが凄いお堅いミステリーっぽいのがまた良いw
いい意味で裏切られるズッコケもあるので気を張り詰めて読む、ということも薄れる気がします。
これってシリーズ化するのかな?してるんですかね?
また機会あれば続編なども読んでみたいと思います。