ライブとか本とか猫とか

ライブとか本とかの感想

【読了】「大絵画展」望月涼子

年明けしましてすでに2月ですが、やっと1冊読み終わりました。

なかなか読書が捗らず、文庫本1冊を1ヶ月かけて読むペースになってしまいました…。

あと普通に文庫本ですら値上がりしてて辛い💦

そんな中、気になっていたこちらを読了↓

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「大絵画展」著・望月涼子

こちらすでに光文社さんで文庫化してたそうなんですが、今回新潮社さんでも取り扱うようになったそうです。新潮社さんの方では作中に出てくる画家たちの代表作などの写真が口絵として付いています。

 

あらすじ

主人公が2人いますが、その主人公たちが投資詐欺に遭うことから事件が進展していきます。

投資詐欺に出会した2人が借金苦に追い込まれた頃、とある人物から絵画強奪を持ちかけられ…という展開です。

その強奪事件の真相は…の部分がどんでん返しの種明かしとなります。

絵画強奪事件

まあ確かにミステリーですし事件に違いないのですが、私てっきり殺人事件が起こると思い込んで読んでいたので「違った…」感がずっと付き纏っていてなかなか読むスピードが上がりませんでした😂

ただ、個人的に絵も好きなので有名な画家の作品が出てくると思っていたんですが、前半ほとんどはほぼ全く出てきません。

投資詐欺への流れが主です。

そこは事件のきっかけになる説明文として必須の部分なのですが、とにかく「思ってたんと違う」がずっと続いてて(私が悪いのだがw)いつになったら絵は出てくるの???って感じでした…。

ただ高額有名絵画を一気に135点まとめて強奪する計画が出たあたりから物語は動き始めます。

 

で、表紙でわかりますが主軸として出てくるのがゴッホのガシェ画です。

この絵に関する所有権であったり、逸話もしっかり出てきますし、絵に関する事柄は嘘はないので実際私はガシェが個人所有の絵だったこととかはこちらの本で知りました。

 

まぁこの絵をめぐってたくさんの人が投資をし、それを回収するために強奪事件を起こし…な訳ですが、とにかく…登場人物が多い!

なので最初の方にある人物説明を見ながらじゃないと誰が誰だったか分からなくなってしまって 笑

しかも真相の部分になってくると偽名がめちゃくちゃ蔓延ります。当然強奪事件を起こしてますからね…そりゃ偽名も出てきますわ。

 

ただ、真相の部分は割とスッキリ面白くて「そうだったのかー」はありました。

まではいかずともどんでん返しだったと思います。

 

ミステリーの部分は楽しめ、かつ絵の勉強もちょっと出来るよ!という感じでしょうか。

途中までは惰性で読んでたわけですが、最後の展開が割とサクサク読めたのでフェルメールが題材の次回作も見つけたら読んでみようかなと思えました。

次回作がフェルメール、次々回作が北斎だそうです。浮世絵を題材にするのは珍しい気がするので気になります。

 

【読了】「おわかれはモーツァルト」中山七里

文庫本1週間で読み終わるのは個人的に物凄い速いペースです。

1冊読み終わりました。年内にもう1冊読み終わりたかった…というのもありますが、気づけばどんどん読み進めてたという感じです。

今回読み終わったのはこちら↓

「おわかれはモーツァルト」著・中山七里

こちらは中山先生の作品で続いてる岬シリーズです。最初の本は「さよならドビュッシー」。

とても有名な本なので読まれた方は多いかと思いますが…(もしくは映画)

個人的に中山七里先生のミステリーは大好きなので岬シリーズも愛読してますが、とにかくこの岬シリーズは作中の音楽の文章表現がとにかくとにかく美しい…!

中山七里先生の作品って、本当エログロの作品は結構とことんエグかったりするんですが 笑

こちら岬シリーズは本当に同じ人が書いているのか?というぐらい音楽の表現がとにかく美しい。

個人的に20年ほどピアノを習っていたので、ピアノがメインの作曲家が出てくるこのシリーズはそういう意味でも大好きです。

あらすじ

主人公・榊場は盲目のピアニストです。

彼は数年前にポーランドで行われたショパン・コンクールで入賞を果たし(既刊「いつまでもショパン」)一躍有名になりました。

全曲モーツァルトというちょっと珍しい全国ツアーを控えていましたが、そこに唐突に現れたフリーライター寺下。

彼の登場のせいで榊場は追い込まれていくなか、ある日寺下の死体が発見されます。

そのせいで榊場に容疑がかかってしまい…

モデルはあの方

主人公・榊場は数冊前の「いつまでもショパン」に既出のキャラクターだったんですが、ピンと来た方は多いですよね。

盲目のピアニストで絶対音感の持ち主。耳で聴いた音をそのまま再現できるピアニストなのですが、中山先生も公言されてますがモデルは辻井伸行さんです。

そして姑息なフリーライターがやって来て「盲目は演技だろう」という難癖をつけてきます。

その難癖のきっかけになったのが作中で数年前に起こった「難聴ピアニストの虚偽事件」であり、この事件も現実に実際あったんですよね。

着想はそこから来たのかな?という感じですが、そこから殺人事件が勃発し、どう解決に導いていくのか…そして控えている全国ツアーは無事に開催できるのか?がメインになってきます。

岬洋介の登場

岬洋介がいわゆる主役であり探偵役としてシリーズにおいて重要キャラクターになるわけですが、今回の「おわかれはモーツァルト」はこの岬がなかなか出て来ません 笑

いつ出てくるんだ!?の感覚でとにかく「早く出てこーい!」と急いたのもあってめちゃくちゃ読むスピード上がりました。

岬はとにかくヒーローのような存在なのですが、彼は彼で色々抱えてるんですよね。

それが岬の一人称ではなく榊場からの三人称視点で触れられていくのも読んでいて切なくなる部分でした。

岬が出てからはもう「どんとこい」の安定感しかなかった。とても素敵なキャラです。

中山七里先生の作品

中山先生の作品の特徴として他作品の主人公が複数出て来たりします。

辻村深月先生の作品みたいに、あっちこっちから繋がって出てくるので「ここで繋がってるんかー!」とか「やぁ!久しぶりぃ!」みたいな感覚になります。

なのでできればたくさん読んでいた方がもっと楽しめますが、今回のモーツァルトにもあっちこっちから出演してます 笑

前作の合唱とか今作のモーツァルトに関してはトリックだったり事件性自体はそこまで難しくなくて読み手にも「なんとなくこうじゃない?」みたいな感じなので大どんでん返しというわけではないのですが、前述したようにとにかく曲の流れる文章表現がめちゃくちゃ美しく、それがメインと言っても過言ではないです。

そしてその曲を流しながら読みたくなります。

中山七里先生はよほどクラシックがお好きなのだなぁと感じずには居れません。

どの作品も必ず誰もが聴いたことのある曲が出てくるので、とてもおすすめです。

事件自体もそんなに怖くないので…中山先生のはホラーなんじゃないかと思うほど怖くグロいものもあるんですが 笑

 

ドビュッシー

ラフマニノフ

ショパン

ベートーベン(×2)

モーツァルト

 

が今のところ作品化してますので、1人でも好きな作曲家がいるなら是非、という感じです。

次は「いまこそガーシュウィン」だそうです(書籍化済/未文庫化)

その次の作曲家も決まってますが忘れちゃいました 笑

 

次回作も楽しみだな〜〜〜〜

【読了】「むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。」青柳碧人

毎度おなじみ(?)読むのが激烈に遅い私です。こんにちわ。

しかもここのところライブの感想も書けてませんが、本を読み終わらないとこちらにも顔を覗かせない毎日です。忙しいわけではないのだが…。

 

ということで今回読み終わりましたのはこちら↓

「むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。」著・青柳碧人

シリーズものであり、いわゆる特殊設定ミステリーです。

ちなみに作者のおとぎ話シリーズはこちらの「昔ばなしシリーズ」と赤ずきんが主人公の「赤ずきんシリーズ」があります。

調べたら「昔ばなしシリーズ」も「赤ずきんシリーズ」も未文庫化の新刊がそれぞれ1冊ずつ出ているようです。

大まかに区切れば文字通り「昔ばなしシリーズ」は日本の昔話が題材になっていて、「赤ずきんシリーズ」は主に海外文学…グリム童話などが題材になっています。

あとは私が読んだ巻数までで分かるのは「昔ばなしシリーズ」は主に短編が独立していて「赤ずきんシリーズ」はまず大きな事件が基盤にあり、主人公の赤ずきんちゃんが行く先々で出会う事件が短編として解決されていく感じです。なので最後の短編は最初から繋がってる大きな流れの解決編もになっている作風になっています。

赤ずきんシリーズ」を読了した時点ではこちらのブログはまだ未開設だったので感想は気が向いたら…書きます…。

一編目は映画化してますよ(ネトフリにあります)

短編集

かぐや姫」「おむすびころりん」「わらしべ長者」「猿蟹合戦」「ぶんぶく茶釜」「かちかち山」を舞台とした短編ミステリー5編収録です。

題材のおとぎ話は6つありますが、ひとつのお話に2つのおとぎ話が繋がってたりします。

感想

本当のところひとつずつ感想を書きたいところなのですが、如何せんミステリーなのでネタバレに触れてしまいそうなので全体を通しての感想に留めておきます。

特殊設定ミステリーと書きましたが、例えば「かぐや姫」を題材にした一編目のお話では非現実的である「竹から女の子が産まれ落ちる」だったり「月からの使者が現れる」だったり「現実にはない宝物(婿候補がかぐや姫から突きつけられた結婚の条件の宝物)」だったりが普通に出てきます。

そういった不思議設定が当然ある前提で殺人事件の犯人を追い詰めていく…というのが特殊設定です。

 

普段読んでいるミステリーだと「現実的である」というのが当然の設定なので、魔法が使えたらアリバイも何もへったくれもねえじゃねえか!ってなるわけですが、例えば使える魔法が限定的だったり…という設定が入ることでミステリーが実現している感じです。

 

個人的に今回の著作も面白かったです😊

特殊設定ミステリーは好き嫌い分かれると思うのですが、割と納得の設定だったりでちゃんと論理的に解決されていってる印象です。

昔ばなしは日本人なら誰もが知ってるお話だったりするわけで、慣れ親しんだお話に突如として血生臭い事件が起こる…大人が読んで面白い昔ばなしになっているんじゃないかなと思いました。

同様に「赤ずきんシリーズ」もオススメです。個人的にはこっちの方が好きかな?

「昔ばなしシリーズ」は前作もそうですが、途中でなんとなく犯人やトリックが分かりそうなお話も含まれていますが、フーダニット、ホワイダニットハウダニット全てが書かれてると思います。あと密室トリックだったり叙述トリックだったり、ミステリーにおける技法もふんだんに出てくる短編集じゃないかなぁと思うので、そういった意味でも楽しめる気がするかな?

 

ミステリーあまり読まない方とか、特殊設定ミステリーそのものがあんまり…な方にもオススメかなと思います。ぜひ〜。

【読了】「琥珀の夏」辻村深月

前回読んだ「リボルバー」からだいぶ日が経ってしまいましたが本は読んでおりました。

毎度のご挨拶になりつつありますが、読むの遅いんです😂

やっと1冊読了です。

今回はこちら↓

琥珀の夏」著・辻村深月

文庫化してましたので(10月終わり頃です)手に取らせて頂きました。

帯を見た感じ今回もミステリーかな?なんて思いましたが全く違いました…個人的に思う辻村作品はミステリーかヒューマンドラマに二分化されると思うのですがこちらは後者でした。

あらすじ

とあるカルト団体の敷地跡から白骨遺体が見つかります。

主人公の弁護士・近藤法子はかつて子供時代にこのカルト団体の夏合宿に参加した経験があり、このニュースを受けて胸騒ぎを覚えます。

この白骨遺体は自分の知っている、あの子なのではないか…?

忘れかけていた30年前の思い出を紐解く中でさまざまな思い出と共に友情と罪が明確になっていきます。

 

なんて書くとミステリーっぽいんですが、若干のミステリーは孕みつつもミステリー小説ではありません。ヒューマンドラマ(って呼んでいいかも分からない)です。

世情を絡ませた内容

おそらくこちらの本が刊行された時、まさに現実社会でも問題が浮き彫りになりつつあった某宗教団体の社会問題を彷彿とした題材なのではないか…と思います。

そこから着想を得られたのかどうかは分かりませんが、あくまで作中に出てくるカルト団体を通して作者が伝えたかったものは何なのか、というところに着眼点をおかねばならない作品だとは思いました。

あくまでフィクションです。

ですが、現実的に起こり得るのかもしれないと思えるから真摯に向き合うべき問題が提示されてるんだなと思います。

私の小さい脳みそでは作者が訴えたかった問題提示を理解できなかった…というのが最初の感想でした。

けど、「分からない」で済ませてはいけない社会問題を提示されているのは分かった。

 

最初のあたりは子供時代の視点が中心に展開していくんですが、大人になった主人公たちの視点が後半にはメインになっていきます。

そういった叙述の中で読み手の私も子供時代に見えていた周りの大人たち、大人になってから見えてきた大人の事情、色々複雑な事柄が見えてくるような気分でした。

ネタバレ感想

ちょっとこの作品、ネタバレに触れずに感想を述べるのは難しいのでネタバレありきで今回書きます。未読の方はご注意ください。

 

作中に出てくるミライの学校ですが、最初の方だと「自然の中で子供に自主的に考えさせる力を身につける学校」として確かに良い教育環境と教育方針だと思わされます。

ただ、読むにつれて「おや…?」と疑問が浮かんでくる。

段々とそのモヤモヤと感じていた疑問のようなものの正体が明確になってくる。

 

私は子育て経験がないので、おそらくそれも相まってこの辺の問題にちょっと分かりづらくなってるのかもしれません。

ただ、やっぱり私も思うんですよね…子供には親が必要なのではないかって。

もちろんいつの日か親離れをしなければならないですし、いつの日か大人になっていかなきゃいけない。

自主性を育てることはとても素晴らしいけれど、ミライの学校で育つことでミカは誰よりも早熟に大人になってしまったんですよね。

一番近くにいて然るべき親と過ごせなかったせいで逆に子供だったミカが年齢に相応しくない精神的大人になってしまった。

ヒサちゃんも早く大人になってしまった。けれどミカはさらに進んで大人になってしまったせいで事件が起こってしまった…ということですよね。

つまり大体当時11歳ぐらいの女の子だけど、ヒサちゃんは高校生〜大学生ぐらいの知識を身につけてしまったし、ミカに至れば30歳〜の精神的大人になってしまった。

まるで真相シーンを読んで感じたのがヒサちゃんは女子高生、ミカは30歳以上の大人のように思えました。

 

ミカは相当苦しんだろうなと思います。

両親は近くにいるのに「お父さん、お母さん」と呼べず甘えることもできない。

周りの綺麗事を言ってくる大人の本性はもう見えて分かってしまうぐらいにミカの精神は大人にならざるを得なかった教育環境。ただしミカにその自覚はありません。

〈問答〉を通して誘導されているのが分かってしまっている。けれどミライの学校から離れることが出来なかったのは子供だったから…

 

なのかなと思いました。

なんかとっても複雑なんです。私もうまく感想が書けません。

だけど、やっぱり思ったのは子供には甘えられる両親がいること、これが何よりも1人の人間を成長させるのに最初に必要不可欠な存在なんだということでした。

 

世の中複雑な事情があって、それが叶わない方もたくさんおられるわけで、いわゆる毒親から解放された方が良い子供もいるわけで。

でも子供って、大人の事情に一番に巻き込まれて逃げられない存在なんですよね…。

自力でどうすることもできない。

未来を託される子供たちを今を生きる大人がどうサポートし、育てていくのか…ってものすごく大事なんだなと思いました。

「子供は国の宝」ってこういうことなんだなと。

言葉にするには難しいけど、考えさせられる内容の本だったと思います。

で、やっぱり辻村深月さんの本はいいなぁ、好きだなぁと思いました。

手に取って良かったと思いますし、こちらの本は数年後に再読すべき本だと予感しています。

数年置いて再読した時に違った見え方がする本じゃないかな…。

【読了】「リボルバー」原田マハ

色々書き留めたいものが溜まってるのですが、今日10/27は読書の日なんだそうで。

そんな折にさっき1冊読了しまして、せっかくなので先に感想を書き留めます。

今回読んだのはこちら〜↓

リボルバー」著・原田マハ

原田マハさんは流石に著名すぎる作家さんなので存じ上げてましたが、なかなか読む機会が得られず…あと著名すぎるとどれから読むべきか迷いますよね 笑

そこでたまたま新刊コーナーに並んでいたのが文庫化したての「リボルバー」でした。

 

実は私、ライブ感想を書くほどに音楽が好きですが絵画も好きな趣味のひとつだったりします。

まぁなんというか読書も音楽も絵画もペラペラの知識しかないのにアレもコレもかよって感じなのですが😂

絵画に関しては母と妹の影響で好んで見に行きます。なんなら母と妹の方がめちゃくちゃ詳しいので知識はいつも彼女たちからおこぼれで吸収する感じです。

 

2020年のロンドン・ナショナル・ギャラリー展があったんですが、それはゴッホのひまわりが来るということで見に行きました。

当然、本屋さんで平積みされてるこの表紙が目に入って手に取らないわけがないんですよ 笑

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展で見たひまわりの感想とか述べるとくそ長くなるので割愛しますが、とにかく本物のひまわりを目の前にした時の衝撃を思い出させられる本書でした…凄かった。本書の内容と実物のゴッホのひまわり、ダブルミーニングです。

 

ゴッホに関してはもはや知らない人などいないのでは?というぐらい有名ですが、本書ではゴッホの自殺にフォーカスしてゴッホの人生を原田マハさんなりの創作で展開されていきます。

そしてゴッホの人生を語るには外せない登場人物がいます。それが弟のテオとゴーギャン

テオに関してはコレまた有名な話なのでご存じの方が多いと思いますが、ゴッホは弟のテオの支援で画家として生活していたんですよね。

そしてアルルという土地に引っ越した際、一緒にルームシェアをしていたのがかの有名な画家、ゴーギャンです。

後半はなんとゴーギャンの独白のページがあり(もちろん創作です)ゴーギャンから見たゴッホの最後が語られる仕様になってます。

 

あらすじ

主人公・高遠冴はパリのオークション会社に努めつつ、子供の頃から好きだったゴッホの美術研究を続けており、論文を書くため足繁く学生時代からゴッホゆかりの美術館や土地などを調べている人物。

その冴が働くオークション会社にある日サラという女性がオークションに出したいと持ち込んできたのが何と「ゴッホが自殺に使ったリボルバー拳銃」だった。

そのリボルバーの真相を知るべく冴は奔走する…という内容です。

ミステリーとしての本書

一応ミステリーの括りになると思うんですが、思ってるようなミステリーではないというか…ただ真相を求めているのはリボルバーが本物なのか?というところなので、推理展開というのはあんまり無いかな?

でも主人公が真相を突き止めていこうとする過程でゴッホゴーギャンの関係などがはっきり見えてくる。

もちろん、この二人の関係性だったり、リボルバーの存在やゴッホの死の真相は作者、原田マハさんの創作と想像と空想で成り立ってるわけですが、読み終えた個人的感想としては「これが真相だったら良いなぁ…」でした。

原田マハさんが言いたいのは、ゴッホは不幸、ゴーギャンは幸せな人生を送ったという世間のイメージではなく、ゴッホゴーギャンもそれぞれに幸せだったに違いないという考え方、見え方ももちろんあるんですよという提示だったように思います。

確かにゴーギャンは家庭も持ち、絵画も生前数枚売れていたようです。行きたい土地へ赴き、地方妻を作って自由に生きていたようにも見える。

かたやゴッホは家庭も持たず、弟に頼りっきりの人生、描いた絵は売れることはなく精神も病んで片耳を切り取ってしまうような異常者…最後には自殺までしてしまう。

これだけ見れば確かにゴッホは不幸な人生だったように見受けられます。

ただこれはあくまでも史実に残っている結果、なんですよね。

ゴッホは確かに家庭を持たなかったけれど、作風に時代が追いつけず受け入れられなかったかもしれないけれど、人生の最後まで絵を描き続け、すでに時代を追い抜いているにもかかわらずさらに「彼方」へと行ってしまうほどの成長をしていたに違いなく、それは果たして「不幸なこと」だったのでしょうか?

 

このリボルバーを読了した後、もう前のような見え方でゴッホの作品もゴーギャンの作品も見られないと思います。それは良い意味での自分の中での変化であり消化だと思う。

初めてロンドン・ナショナル・ギャラリー展で「ひまわり」を見た時。

陶板への焼き付けとはいえ、大塚国際美術館で一斉に並ぶ「ひまわり」全作品を前にした時、ゴッホの絵を目の前にした時。

その時に感じたえもしれぬ力みたいなものの正体が分かったような気さえしました。

多分「生命力」ですよね…使い古された表現ではあるけれど。

特に本物の「ひまわり」を見たときは絵画の前で本当に涙が流れました 笑 

ゴッホが生きてたんだなぁという力というか。

それを本書を読むことで更にそこに生命力が加味されて真実味を感じさせてくれた。

同じくゴーギャンにも触れているので、ゴーギャンという画家のこともとてもよく知ることができます。ゴーギャンもそんなふうに人生を送ったのかもしれない、と思うと無性にゴーギャンの作品を見たくなります。

まとめ

あまりに良かったので長くなっちゃいましたが😂

もし読書も絵画も好きな方がおられましたら、ぜひ一読を!と思います。

本書の中にゴーギャンが見たゴッホの作品についての説明文があります。

「(中略)実にーまったく不思議な風景画だった。

瑠璃紺の静寂が支配する画面。月と星が煌々と輝く夜半の風景。(中略)さざなみの軌跡を残して天空を巡りゆく星々は、無情の闇に沈めまいと救いの光で村を包み込む。三日月は勝利の旗のごとく季節風を受けて夜空にはためき…(後略)」

この絵のタイトルは本書では出てきません。

でも何の絵の説明か…すぐ分かりますよね?この説明だけで絵が目の前に浮かびます。

この一節の表現力だけで「あぁ、だから原田マハさんは評価される作家さんなんだ」と思いました。

私もこの絵、大好きです(大塚国際美術館でポーチ買っちゃったぐらい 笑)

星月夜 - Google 検索

DESCENDENTS 「MILO GOES TO JAPAN 2023 Tour」 w/HEY-SMITH @GORILLA HALL OSAKA

前回のラシュボから約1ヶ月ほどライブが一切ないままだったんですが、10月入ってライブ行ってきました。

 

DESCENDENTSMILO GOES TO JAPAN 2023 Tour」

w/HEY-SMITH

 

元々Descendentsは見てみたいバンドだったんですが、来日するとのことで調べてみたらアラ!びっくり!対バン(サポート)がヘイスミスじゃないか!!しかも大阪!

ということで知った時には2次先行だったんですが申し込みまして行ってきました。

ゴリラホールは2月ぶりですね。

ちょっと遠いんですよ…。

 

ヘイも1月ぶりだったんですが、なんというか…全く音源聴いてなくても体に音が染み付いてるようで、半年以上ぶりとかなのに自然と手が上がるというか。

まともに新曲聴けてなかった自覚ありでしたが😂でも楽しかったです✨

私が知った頃から比べてやはり歳とったな感はあったけど(申し訳)スカパンクはこうでなくっちゃというか。

ヘイを見てるとライブってこうだよね、音楽ってライブ然りだよねと思わせてくれます。

音を体感してるという感覚を思い出させてくれる。そんな気がします。

Descendentsですが、1stアルバムが出た年にはまだヘイの猪狩さんは生まれてなかったんよね…それが驚きでもあり、そんな大御所のDescendentsと対バンするなんて多分もうこれから先見れないだろうなと思ってw

せっかくの機会が巡ってきたわけで、やっと見れた嬉しさもひとしおでした。

正直メンバーのお顔とかも全く見たことなくて。ただ履歴からしてイケオジバンドなのは容易く想像できたわけですが…。

いやー、出てきて歌い始めた時の迫力と、当然ながら上手さが圧倒的で…こんなDescendentsをライブハウス規模で見れるってことの贅沢さと言いますか。

本当見に行って良かった!多分ライブ見れないままの人生だったら後悔してた(大袈裟ではなく)

 

Descendentsは2021年に新譜を出してるみたいなんですが、当然ながらコロナ禍だったので来日もなかったはず…なので今回の来日では新曲を含めて久しぶりの日本でのライブということもあって、昔の曲も満遍なくやってくれた印象です。

当然一番人気の曲だったりとか聴きたい曲は数多くあって、それもしっかり聴けたんですが個人的に一番聴きたかった(見たかった)曲がvanで。

これをやってくれた時はブチ上がり!というやつでした😂

いや…この曲を聴いた方は当然ご存知だと思うんですがアレンジが何かこう…どうやってんの?って思ってまして…素人目なので分からないんですが、実際どう演奏してんのかなっていうところが気になって仕方ない曲でした。

van好きだわ 笑

これやってくれてもう大満足!来てよかった!ちょっと遠かったけど来てよかった!!でした。チケ代安いよこれじゃ。

 

数年前まではDescendentsワンマンは敷居が高いからフェス出てくれたらぁ〜なんて思ってたバンドのひとつだったんですが、コロナ禍を経て「そんなこと言ってられねえ!」に感覚が変わりました。

やっぱ見に行ける時にライブは見に行った方が良いです。

必ずしもすぐにまた機会があるわけではなく、それも補償できないものなので…。

 

次また機会あれば見に行きたいです😊スカパンク大好きなら尚更かなと思います〜。

RUSH BALL 2023 @泉大津フェニックス

見返したらラシュボだけ記録してなかったので、今更ながらフェス行きましたっていう内容です。

 

行ったのはこちら↓

RUSH BALL 2023 DAY2

10年ぐらい前までは毎年行ってたんですが、最近は行く年行かない年とまちまちで。

ただ今年は25周年ということもあり、ずーっと出てなかったアジカンが!出ると!いうことで 笑

アジカンはね、私がラシュボ行き始める前年に出たっきりだったんです。

いつかラシュボで見れる日が来るかなと願って何年経ったか…やっと叶った今年は絶対行こう!ということで、全日は無理だったので2日目だけの参加です。

チケット確認場所(上)とエリア入場口

 

当日の私のタイテはこちら↓

朝から行くのは体力的に無謀だったので途中のホルモンから…。

バニラズとかバクホンとかロットンとか見逃した…でも恐らく朝イチから行ってたら熱中症でぶっ倒れてたと思います(まじ)

 

ラシュボは2ステージ組んであるのですが、野外だし泉大津フェニックス内でステージ組んでるので移動は楽です。

 

ホルモン→髭ちゃんアジカン→ブラフ→テンフィ→DA

 

前述の通り移動中も片方のステージ音源はガンガン聞こえてるしメインステージに至ってはずっと見えてるので、合間のWANIMAだったりATMCのアーティストもちょい見してますw

WANIMAとかめちゃくちゃ久々に見たなぁ…前に見たのはいつだったか忘れました(。A。)

 

それと合間でフェス飯も食べたり。サマソニではフェス飯を堪能する余裕がなかったのでラシュボで楽しめたかなと思います。ネギ蕎麦食べました(写真はない)

 

目的はアジカンとテンフィだったんですが、アジカンはサーフブンガクカマクラを出した直後だったので、フェスのセトリでは珍しい?江ノ島エスカーやってくれた時はテンションぶち上がりました!遥か彼方とかね…フェスで聴けるのは嬉しかったです(๑´ㅂ`๑)

 

あとはたまたまだったけど髭ちゃんでしょうか…髭も昔は関西でライブあれば通ってたんですが、最近遠のいてて(ごめん)

でも久々に見るはずなのに手を上げるタイミングとか普通に体が勝手に動くんですよね 笑

これは我ながらびっくりした。あとやっぱり楽しいな〜って思えました。

髭…いいよぉ。ロックンロールとか好きです。最近の曲もちゃんとしっかり聴かなきゃ。

 

あんまり長くなるので諸々省きますが、ブラフも相変わらずで 笑

鬼怖かった… 笑

テンフィももちろん!楽しかったです!やっぱスラムダンクの影響ってすげえなと改めて思いました…それ目的で着てるお子様もいたからね…すごいね。

 

25周年のラッシュボールも非常に暑かったけど楽しかったです。

久しぶりの私としては懐かしさすら感じました…変わってないのが逆に良いと思う。

主催のGREENSに関しては個人的に好印象しかない企業さんです。

お客さんのこと割とちゃんと見てくれて考えてくれてる気がします。

私事ではありますが過去に色々あった時、いつでも助けてくれたし声に耳を傾けてくれたイメージがある。

これからもラッシュボールが続きますよう、応援したいと思っています。

ので、また行ける時は行きたいな。

もう一つ呼んでほしいバンドいるんですよ…アジカンバンプもラシュボで見れたし…次は…次はぜひ!The HIATUSでもMONOEYESでもなくELLEGARDENを!ラシュボでエルレを見たいです!!

わかってます!ええ、エルレはどっちかいうとハジマザだよね!!分かってる😂

でもナナイロ3バンドがラシュボに出てくれたら嬉しいなとずっと思ってかれこれ十数年です…いつか叶うといいなー。